オフィスのデスクで、企業SNS担当者がスマートフォンの分析画面に映る棒グラフを見ながら、「意外と若い人が多いんだ」と少し驚きつつ興味深そうに眺めている情景

SNSフォロワーの属性分析|年齢・地域を投稿改善に活かす見方

会議の終わりぎわ、上司にふと聞かれる。「ところで、うちのフォロワーって、どんな人たちなの?」 「えっと……お客様っぽい人たちです」と答えながら、自分でも少し心もとない。 あとで分析画面を開いてみたら、想像していたより若い人が多くて、「あれ、ずっと誰に向けて書いていたんだろう」と手が止まる。

そのモヤっとした感じ、とても自然なことです。日々の投稿で手いっぱいだと、フォロワーの「中身」までじっくり見る余裕はなかなかありません。でも、ここで気づけたのは、むしろいいタイミングです。

フォロワーの属性データ(年齢・地域など)は、「想定していた読者」と並べたときに、はじめて役に立つ数字です。今日は、そのための見方を3つのステップで一緒に整理していきます。

結論:フォロワーの属性データは、次の3ステップで投稿改善に使えます。
① 想定:「誰に届けたいか」を、まず1行で書き出す
② 実際:分析画面で、年齢・地域の上位をメモに写す
③ 次の一手:想定と実際のズレを見て、投稿を1つだけ調整して試す
属性の数字を細かく追いかける必要はありません。「ズレているか、合っているか」が分かれば十分です。

何が起きているか:属性データは「誰が見ているか」の手がかり

SNSの分析画面(インサイト)では、多くの場合、フォロワーについて次のような情報を確認できます。

見られる場所は、たとえばInstagramならプロフェッショナルアカウントの「インサイト」、Facebookページなら Meta Business Suite のインサイト、TikTokならビジネスアカウントのアナリティクスです。どこまでの項目が見られるかはSNSやアカウントの種類によって違い、フォロワーがある程度の人数に達するまで表示されないこともあります。画面の場所や条件はよく変わるので、迷ったら各SNSの公式ヘルプで確認してください。分析画面全体の歩き方はSNSインサイトの見方|主要SNSの分析画面と数字の読み方にまとめています。

ここで、属性データを読むときに知っておくと安心な前提が3つあります。

ステップ1「想定」:誰に届けたいかを1行で書く

左から「想定」「実際」「次の一手」の3列で、想定読者のメモ、分析画面の棒グラフ、調整した投稿カードを並べ、属性データの使い方を示した図
想定した読者と、実際のフォロワーを並べて「ズレ」を見る。ズレが分かったら、次の一手は1つだけ。

最初にやるのは、分析画面を開くことではなく、「誰に届けたいか」を自分の言葉で1行書くことです。先に画面を見てしまうと、出てきた数字に引っぱられて「これが正解なんだ」と思い込みやすいからです。

書き方は、これくらいで十分です。

ポイントは、年代と地域を必ず入れること。あとで属性データと並べるための「ものさし」になります。社内に運用方針やトーン&マナーガイドがあれば、そこに書いてある想定読者をそのまま写してもかまいません。

ステップ2「実際」:年齢・地域の上位をメモに写す

次に、分析画面を開いて、実際のフォロワーの姿をメモに写します。全部を写す必要はありません。

メモにすると、こんな形になります。

実際のフォロワー(10月時点)
年齢:25〜34歳 38%/35〜44歳 26%
地域:地元の市/隣の市/東京

これを、ステップ1の「想定」の1行のすぐ下に並べて書きます。2行を上下に並べるだけで、ズレがあるかどうかは目で見て分かります。

ステップ3「次の一手」:ズレの種類で調整を1つ決める

想定と実際を並べると、だいたい次の3つのどれかに当てはまります。

並べた結果読み取れること次の一手の例
ほぼ想定どおり届けたい人にきちんと届いている今の路線を続けつつ、よく見ている時間帯に投稿を寄せてみる
年代がズレている想定とは別の年代が、興味を持ってくれているどちらの年代を主役にするか決め、その年代に向けた投稿を月に数本試す
地域がズレている(広い/遠い)来店圏の外にも、関心を持つ人がいる来店型なら場所・アクセスを分かりやすく。通販や遠方向けの話題も検討する

大事なのは、ズレ=失敗ではないということです。想定より若い人が多かったなら、それは「その年代にも魅力が伝わっている」という発見です。想定に無理に戻すのか、新しく見つかった人たちを大切にするのか、どちらも正解になりえます。迷ったら、運用の目的(来店、採用、問い合わせなど)に近いほうを選びましょう。目的と指標の関係は企業SNSのKPI|フォロワー数より目的別に見る指標の選び方で整理できます。

そして、決めた調整は1つだけ試します。投稿の切り口、時間帯、言葉づかいを一度に全部変えると、翌月に数字が動いても何が効いたのか分からなくなってしまいます。1つずつ確かめる進め方は企業SNS投稿のA/Bテスト|1つだけ変えて勝ちパターンを見つけるが参考になります。時間帯を調整する場合は企業SNSの投稿時間はいつがいい?自分の数字で見つける手順もあわせてどうぞ。

属性データを使うときに気をつけたいこと

属性は、投稿の「切り口」を考えるヒントとして使います。一方で、年代や性別で人をひとくくりにする表現(「◯◯世代はこういうもの」「女性ならこれが好き」など)を投稿文にそのまま持ち込むと、読んだ人を置き去りにしてしまうことがあります。「25〜34歳が多い」から考えるのは、「その年代の人が困っていそうな場面」や「その年代の人が使いそうな場面」まで。言い回しに迷ったら企業SNSの表現チェック|差別・ジェンダーで配慮したい言い回しで一度確認しておくと安心です。

具体例:「地元の40〜50代向け」のつもりだった和菓子店

ここでは、地方で和菓子を製造・販売する、ある小さな会社の例で考えてみます(業種のイメージをつかむための例です)。

ステップ1「想定」 担当者が書いた1行は「地元に住む40〜50代で、季節の和菓子を楽しみにしている人」でした。

ステップ2「実際」 Instagramのインサイトで、フォロワーの属性を写したのがこちらです。

年齢層割合
18〜24歳12%
25〜34歳38%
35〜44歳26%
45〜54歳15%
55〜64歳5%
その他(13〜17歳・65歳以上)4%

地域の上位は「地元の市」「隣の市」「東京」の順でした。

想定していた40〜50代にあたる「45〜54歳」は15%。いちばん多いのは25〜34歳の38%で、35〜44歳と合わせると64%(38+26)。フォロワーの3人に2人ほどが、25〜44歳だったことになります。地域では、地元に次いで東京が上位に入っていました。

ステップ3「次の一手」 担当者が過去の投稿を見返すと、保存数が多かったのは「手土産にちょうどいい詰め合わせ」の投稿でした。25〜34歳の多さと、東京からのフォローを合わせて考えると、「帰省や訪問のときの手土産を探している人」に届いているのかもしれない、という仮説が立ちました。

そこで来月は、月に2本だけ「手土産・贈り物」の切り口の投稿を試し、保存数をいつもの投稿と比べることにしました。季節の和菓子の投稿はそのまま続けます。想定していた40〜50代のお客様を手放すのではなく、新しく見えてきた人たちにも1つ投稿を足してみる、という調整です。

あなたへの影響

明日やること(10分でできる範囲)

  1. メモに「届けたい人」を、年代と地域を入れて1行で書く。
  2. 分析画面を開いて、年齢層の上位2つ、地域の上位3つを、その下に写す。
  3. 2行を見比べて、「ほぼ想定どおり/年代がズレている/地域がズレている」のどれかに丸をつける。
  4. 来月試す調整を1つだけ決めて、メモの一番下に書いておく。

属性がまだ表示されない、項目が少ない、という場合も大丈夫です。そのときはステップ1の「想定」だけ書いておき、表示されるようになったら並べてみましょう。

フォロワー属性を活かすチェックリスト

全部を一度にやらなくて大丈夫です。まずは太字の3つから。

最後に

フォロワーの数字の向こうには、一人ひとり、あなたの投稿を「見たい」と思ってフォローボタンを押してくれた人がいます。属性データは、その人たちの姿を少しだけはっきりさせてくれる道具です。

想定とズレていても、がっかりしなくて大丈夫。それは、あなたの投稿がまだ知らなかった誰かに届いていた、というしるしです。次に分析画面を開いたら、「どんな人が見てくれているのかな」と、少し楽しみな気持ちで年齢と地域の欄を見てみてください。

明るいオフィスで、企業SNS担当者がノートを手にほほえみ、窓の外の街を眺めながら、フォロワーの顔を思い浮かべて次の投稿を考えている情景
数字の向こうにいる人の姿が見えると、次の投稿がもっと書きやすくなります。

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企業SNS運用の実務ヒントを、メールでも少しずつお届けしています。ひとりで抱え込まず、続けられる運用を一緒に作っていきましょう。

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