投稿の言葉選びに迷っていた担当者が、トーン&マナーを1枚にまとめたシートを手にして落ち着いて投稿を作れるようになった情景

企業SNSのトーン&マナーガイドの作り方|投稿がぶれない1枚

「この言い方、うちのアカウントとして合っているかな」。

投稿ボタンを押す前に、そんなふうに手が止まること、ありませんか。絵文字はどれくらい使っていいのか。読者への呼びかけは「皆さま」か「みなさん」か。冗談はどこまで許されるのか。ひとりで運用していると、こうした判断を毎回自分の中だけでしています。誰かに確認できるわけでもなく、正解も見えない。だから、地味に疲れます。

そんなときに効くのが「トーン&マナーガイド」です。自社のSNSがどんな言葉づかい・空気感で話すのかを、1枚にまとめておく。それだけで、投稿のたびの迷いがぐっと減ります。ここでは、ひとり運用でも無理なく作れる項目と、そのまま使えるひな形を一緒に整理していきます。

結論:トーン&マナーガイドは、立派なものを作らなくて大丈夫です。「迷ったときに見返す1枚」を目指します。

なぜ毎回、言葉選びで迷うのか

そもそも、投稿のたびに言葉選びで手が止まるのは、あなたのセンスの問題ではありません。「判断の基準が、自分の頭の中にしかない」ことが原因です。

頭の中の基準は、その日の体調や気分で揺れます。だからこそ、外に出して1枚にしておく。トーン&マナーガイドの狙いは、この「感覚でやっていること」を、見返せる言葉にしておくことです。

トーン&マナーガイドに入れる5つの項目

トーン&マナーガイドに入れる「人物像・語尾・絵文字・呼びかけ・NG」の5項目を1枚のシートに並べた概念図
全部を決めようとせず、迷いやすいこの5項目から。1枚に収まる量にするのがコツ。

いきなり全部を決めようとすると、作る前に力尽きます。まずは、実際に迷いやすい次の5項目に絞りましょう。これだけで、日々の判断の8割はカバーできます。

  1. 人物像(キャラクター):うちのアカウントは「どんな人」か
  2. 語尾・文体:ですます/だ・である、かたさの度合い
  3. 絵文字・記号:使う・使わない、どれくらいの量か
  4. 呼びかけ:読者を何と呼ぶか(みなさん/お客さま など)
  5. 避けたい表現(NG):使わない言葉・話題

順番に、決め方を見ていきます。

1. 人物像を「一言」で決める

一番の土台は、「うちのアカウントはどんな人か」です。ここが決まると、語尾も絵文字も自然と決まってきます。難しく考えず、身近な人にたとえるのがおすすめです。

一言で言えると、迷ったときに「この人ならどう言うかな」と考えられます。中の人の人柄をどこまで出すか自体で迷ったら、「『中の人』の人柄を出す投稿と、出しすぎないラインの引き方」もあわせてどうぞ。

2. 語尾・絵文字・呼びかけは「実例」で書く

ルールは、抽象的な言葉より「実例」で書くほうが、あとで見返したときに迷いません。「丁寧に」ではなく、実際の一文で残します。

たとえば、こんな形です。

【文体】ですます調。かたすぎず、やわらかく。
  ○ 本日から始まりました。よかったらのぞいてみてください。
  × 本日より開始いたしました。ぜひご高覧ください。

【絵文字】1投稿に1〜2個まで。文末に添える程度。
  ○ 今日はいい天気です☀
  × 今日は😆いい天気☀ですね✨✨🎉

【呼びかけ】「みなさん」で統一。

○と×を並べておくと、判断がとても速くなります。全項目でなくていいので、迷いやすいものだけ実例を添えましょう。

3. 「避けたい表現」は炎上を防ぐ土台になる

避けたい表現をあらかじめ1枚に書き出しておくことが、投稿前の見直しの支えになるようすを示した図

避けたい表現をあらかじめ決めておくと、投稿前の見直しがぐっと楽になります。ここは、アカウントの空気を守るだけでなく、思わぬトラブルを未然に減らす土台にもなります。よく挙がるのは、次のようなものです。

とくに「絶対」「日本一」といった最上級・断定表現は、景品表示法など表示のルールにふれる場合があります。使いたいときは根拠を確認する、と1行入れておくと安心です。あわせて、投稿前に見直す観点を整理した「投稿前チェックリスト」も、このガイドと相性がよいです。

そのまま使える1枚ひな形

項目がそろったら、1枚に落とし込みます。凝ったデザインは不要です。メモアプリやスプレッドシート1枚で十分。たたき台として、次の形をコピーして使ってください。

■ 企業SNS トーン&マナーガイド(○○アカウント)

【1. 人物像】
(例:親しみやすく、丁寧な近所の先輩のような存在)

【2. 文体・語尾】
(例:ですます調。かたすぎず、やわらかく)
  ○ (良い一文の例)
  × (避けたい一文の例)

【3. 絵文字・記号】
(例:1投稿に1〜2個まで。文末に添える程度)

【4. 呼びかけ】
(例:「みなさん」で統一)

【5. 避けたい表現・話題】
・(例:断定しすぎる言い方は根拠を確認してから)
・(例:政治・宗教・社会問題への意見)
・(例:他社を下げる言い方)

【迷ったときの合言葉】
(例:「うちの先輩なら、どう言うかな?」)

最後の「迷ったときの合言葉」が、意外と効きます。判断に詰まったとき、この一言に立ち返れるようにしておくと、ぶれずに済みます。

作ったガイドを「使い続ける」ための工夫

トーン&マナーガイドは、作って終わりにせず、手の届く場所に置いておくと効いてきます。

ガイドは、育てるものです。最初から完璧である必要はありません。運用しながら「そういえばこれ、毎回迷うな」と気づいたことを足していけば、自分の現場に合った1枚に育っていきます。

あなたへの影響

明日やること

  1. 「うちのアカウントはどんな人か」を、身近な人にたとえて一言で書く
  2. 語尾・絵文字・呼びかけの3つだけ、○×の実例で決める
  3. 避けたい表現・話題を3つメモする
  4. それを1枚にまとめ、投稿ツールのすぐ隣に置く

トーン&マナーガイド作成チェックリスト

まず作る(今日ここまで)

続けるための土台(余力があれば)

トーン&マナーガイドが手元にでき、迷わず自分らしい言葉で投稿を続けられるようになった担当者の前向きな情景

言葉選びに迷うのは、あなたが手を抜いているからではありません。ひとりで、よりどころのないまま判断し続けているからです。だから、その基準を1枚にして外に出す。たったそれだけで、毎日の投稿はずいぶん軽くなります。今日、アカウントの人物像を一言書けたなら、もうガイドづくりは始まっています。一度に全部そろえなくて大丈夫。ひとつずつで十分です。

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