
SNSの連載企画を続けるコツ|ネタ切れしないシリーズの作り方
月曜の朝。今週の投稿を考えようとして、また白紙の予定表を前に手が止まる。
先週もそうでした。その前の週も。投稿を出すこと自体より、「何を出すか」を毎回ゼロから決めることのほうが、ずっと疲れるんですよね。
もしそうなら、それは担当者の発想力の問題ではありません。毎回まったく新しいものを考える運用の形が、兼務の担当者には重すぎるだけです。
今日は、その重さを少し分けてくれる連載・シリーズ企画の作り方を、題材の選び方から型の決め方、休み方まで順番に整理していきます。
結論:連載企画を続けるには、始める前に3つだけ決めておきます。
① 題材は「10回分の在庫が見えるもの」を選ぶ:思いつきで始めず、先に10本分のタイトルを書き出してみる
② 型を決めて、変えるのは中身だけにする:シリーズ名・冒頭の一言・画像のレイアウトは毎回同じ
③ 終わり方と休み方も先に決める:「10回で一区切り」「休むときは一言添える」
凝った企画にしなくて大丈夫です。続けられる小ささのほうが、結果的に長く届きます。
連載企画がSNS運用を軽くしてくれる理由
連載のいちばんの良さは、フォロワーに「次も見たい」と思ってもらえること……と言われがちですが、担当者にとって大きいのは、実はもうひとつのほうです。
考えることが減る。
単発の投稿は、毎回「テーマ」「切り口」「見せ方」「文章」を全部決めなければなりません。連載にすると、テーマと見せ方はもう決まっています。その週に考えるのは「今回の中身」だけです。
ほかにも、続けるうちにこんな変化が起きやすくなります。
- 社内から素材が集まりやすくなる:「あの連載の次の回に使えそうなもの」と、現場の人が思い浮かべやすくなる
- 見る側が見つけやすくなる:同じ見た目の投稿が並ぶと、タイムラインで「あ、あのシリーズだ」と気づいてもらえる
- 振り返りがしやすくなる:同じ型で比べられるので、どの回がなぜ反応されたかが見えやすい
逆に言えば、連載が止まってしまうのは、たいていこの「考えることが減る」状態を作れていないときです。毎回ネタ探しから始まる連載は、単発投稿より重くなってしまいます。
連載が続かなくなる、よくある3つのつまずき
始めたのに3回で止まってしまった連載には、だいたい共通点があります。責める話ではなく、設計の問題なので、先に知っておけば避けられます。
- 題材が狭すぎた:「新商品紹介シリーズ」は、新商品が出ないと続けられません。題材の在庫が、会社の予定に左右されてしまう形です
- 頻度が高すぎた:勢いで「毎日」にすると、兼務の手ではすぐ追いつかなくなります
- 毎回、見せ方まで考え直していた:画像の構成や書き出しを毎回変えていると、連載にした意味が薄れてしまいます
どれも、始める前に少し決めておくだけで防げるものです。順番に見ていきましょう。
連載企画の題材の選び方:10回分の在庫が見えるか
題材を決めるときは、面白そうかどうかより先に、「10回分のタイトルが今すぐ書き出せるか」を試してみてください。10個書けなければ、その題材はまだ連載向きではないかもしれません。
目安にしたいのは、次の3つです。
- 在庫がある:10回分がすぐ思いつく。会社の予定に左右されない
- 素材が社内で集まる:担当者ひとりで取材・撮影しなくても、現場の人に少しお願いすれば揃う
- 見る人にとって続きを見る理由がある:役に立つ、ちょっと楽しい、人柄が見える、のどれかがある
企業アカウントで続けやすい題材の例を挙げます。
- よく聞かれる質問に1つずつ答える(「よくある質問」シリーズ):問い合わせ窓口にたまった質問が、そのまま在庫になります。作り方はFAQ投稿の作り方へ
- 仕事の道具・部品・素材を1つずつ紹介する:現場にある道具の数だけ回数が作れます
- 社員をひとりずつ紹介する:人の数だけ続けられます。社員紹介・舞台裏投稿のテンプレートも参考に
- 業界の小さな豆知識:保存されやすい題材です。豆知識投稿の作り方にまとめています
- 季節ごとの同じ場所の定点観測:お店の入り口、工場の敷地の木など、同じ場所を撮り続けるだけで変化が伝わります
迷ったら、投稿ネタの引き出し30パターンの中から「これは10回できそう」というものを1つ選ぶのも近道です。
シリーズの型を決める:毎回同じ部分と毎回かわる部分
題材が決まったら、次は型です。ここがいちばん、あとで効いてきます。
考え方はシンプルで、投稿を「毎回同じ」部分と「毎回かわる」部分に分けます。

毎回同じにしておくもの
- シリーズ名:「◯◯の道具図鑑」「今週のよくある質問」など、短く、中身が想像できる名前
- 回数の表記:「第◯回」「No.◯」。見る人にも担当者にも、積み重なっている実感が生まれます
- 冒頭の一言:「今週の道具は、これです」のように決まった書き出し。書き出しで迷わなくなります
- 画像のレイアウト:色帯の位置、写真の配置、文字を載せる場所。テンプレートを1つ作っておけば、毎回差し替えるだけです(投稿画像のデザインを統一する方法)
- 投稿する曜日:「毎週木曜」のように決める
毎回かわるもの
- 今回の題材(写真・道具・質問・人)
- それについての一言、二言
この2つを分けて、型のほうをテンプレートとして保存しておきます。文章の型は投稿テンプレートの作り方を下敷きにすると作りやすいです。
型が決まると、「今週の連載、何にしよう」は「今週の連載、どの道具にしよう」に変わります。選ぶだけなら、5分で済む日も出てきます。
シリーズ名はハッシュタグにも使える
シリーズ名を決めたら、自社だけが使う形のハッシュタグにしておくのもひとつの手です。ハッシュタグをたどると過去の回がまとまって見えるので、初めて見た人が「前の回も見てみよう」とさかのぼりやすくなります。一般的な語だと他の投稿に埋もれてしまうので、会社名や商品名を入れた独自の形がおすすめです。タグの考え方はハッシュタグの付け方・選び方へ。
Instagramなら、過去の回をハイライトにまとめておく方法もあります(Instagramのプロフィールとハイライトの整え方)。
頻度とストック:始める前に3本作っておく
連載を始めるときにいちばんおすすめしたいのは、第1回を出す前に、3本ほど先に作っておくことです。
1本目を出した翌週に、忙しくて2本目が作れない。これが、連載が止まる典型的な入り口です。手元に2〜3本のストックがあると、忙しい週もストックから出して、落ち着いた週に作り足せます。
頻度は、週1回か隔週くらいから始めると続けやすいです。「毎日」は、慣れてからでも遅くありません。いま出している単発の投稿の枠を1つ、連載に置き換えるくらいの気持ちで十分です。
曜日を決めたら、コンテンツカレンダーやひとり運用の投稿スケジュールに先に書き込んでおきましょう。予定表に「連載」の枠が最初から入っていると、月曜の白紙が少しだけ白紙ではなくなります。
反応は1回ごとではなく、5回まとめて見る
連載を始めると、1回ごとの反応が気になってしまいます。第2回の反応が第1回より少ないと、「やっぱりだめかな」と思いたくなる。
でも、連載は見る人が「このシリーズがある」と気づくまでに少し時間がかかる企画です。1回ずつで判断せず、5回くらい出してから、まとめて見るのがおすすめです。
見るときは、次の2点くらいで十分です。
- 5回のうち、反応が良かった回と控えめだった回で、題材に違いはあるか(道具系は反応がいい、人の紹介は保存が多い、など)
- 保存やプロフィールへのアクセスが、単発の投稿と比べてどうか:連載は「あとで見返したい」「ほかの回も見たい」という反応が出やすい形です
反応の比べ方は投稿の振り返り方、割合で見たいときはエンゲージメント率計算ツールを使ってみてください。反応が控えめだった題材は、次のシーズンで外せばいいだけです。
連載の終わらせ方・休み方も先に決めておく
意外と大事なのが、終わり方です。
「ずっと続ける」と決めて始めると、続けられなくなったときに、黙って止まるしかなくなってしまいます。担当者にとっても、見ていた人にとっても、少し寂しい終わり方です。
そこで、はじめから「10回で一区切り(シーズン1)」と決めておく方法をおすすめします。
- 10回終わったら、いったん締めくくりの投稿を出す(「シーズン1、見てくださってありがとうございました」)
- 反応を振り返って、続けるなら「シーズン2」として型を少し見直して再開する
- 別の題材に切り替えるのも、もちろんありです
途中で休むときも、「今週はお休みします。次回は◯日です」と一言添えるだけで、止まったのではなく休んでいるのだと伝わります。完璧に毎週出すことより、約束の形を守れる大きさにしておくことのほうが大切です。
明日やること(15分でできる範囲)
- 連載にできそうな題材を2〜3個思い浮かべる
- そのうち1つで、10回分のタイトルを箇条書きで書き出してみる(10個書けたら候補に残す)
- シリーズ名を仮で1つ決める
- 「毎回同じ」部分(冒頭の一言・画像のレイアウト・曜日)をメモに3行で書く
- 第1回〜第3回に使う素材を、誰にお願いするかを決める
今日は、10回分のタイトルが書き出せれば十分です。書き出せなかったら、それも「この題材は連載向きじゃなかった」という大事な発見です。
チェックリスト
始める前に、上から順に見ていくためのリストです。全部に丸がつかなくても大丈夫です。気づいたところから整えていきましょう。
- 題材について、10回分のタイトルを書き出せた
- 題材の在庫が、新商品の発売など会社の予定に左右されない
- 素材を担当者ひとりで集めなくても済む(頼める人がいる)
- シリーズ名が短く、中身が想像できる
- 冒頭の一言・画像のレイアウト・回数の表記が決まっている
- 型をテンプレートとして保存した
- 投稿する曜日と頻度(週1回か隔週)を決め、カレンダーに書き込んだ
- 第1回を出す前に、3本ほどストックがある
- 「10回で一区切り」など、終わり方を決めている
- 反応は5回ほど出してからまとめて見ると決めている
投稿そのものの確認は、企業SNS投稿前チェックリストとあわせて使ってください。
最後に

連載は、1回ずつ見るととても小さな投稿です。道具がひとつ、質問がひとつ、人がひとり。
でも、それが10回並んだとき、そこには会社の仕事や人柄を、少しずつ丁寧に伝えてきた跡が残ります。そしてその間、担当者は毎週月曜の白紙と向き合わずに済んでいたはずです。
毎週ゼロから考えなくていい。それだけで、運用はずいぶん軽くなります。
まずは今日、題材をひとつ選んで、10回分のタイトルを書き出してみるところから。一緒に始めてみましょう。
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