
比較・選び方ガイド型投稿の作り方|迷う人の背中を押すSNSの型
「AとB、どっちがいいですか?」 店頭でも、問い合わせフォームでも、DMでも。同じ質問に、今月もう何回答えたか分からない——そんな日はありませんか。
そのたびに丁寧に答えているのに、投稿のネタには困っている。じつはその質問こそ、いちばん読まれやすい投稿の種です。聞いてくれた人の向こうには、聞けずに迷っている人が、きっとその何倍もいます。
今日は、自社の商品やプランを「どっちがいい?」に答える形で見せる、比較・選び方ガイド型の投稿の作り方を一緒に整理していきます。むずかしい企画力はいりません。いつもの接客で話していることを、そのまま並べ直すだけです。
結論:比較・選び方ガイド型投稿は、次の4ステップで作ります。
① よく聞かれる「迷い」を1つ選ぶ(どれにする?の質問をそのまま題材に)
② 比べる軸を2〜3個に絞る(価格・使う場面・手間など、迷っている人が気にしている順に)
③ 「どれが一番」ではなく「どんな人に向いているか」で書く
④ 最後に「迷ったらこれ」と、ひとつだけ道しるべを置く
比べる相手は自社の商品・プランどうしで十分です。他社の名前は出さなくて大丈夫です。
何が起きているか:比較・選び方の投稿が届きやすい理由
選び方の投稿が保存やシェアにつながりやすいのは、読む人が「あとで選ぶときに見返したい」と思うからです。
- 迷っている人は、もう半分決めている:「どれにしよう」と考えている時点で、買う・申し込む気持ちはある程度できています。足りないのは、最後のひと押しになる判断材料です。
- 商品紹介より「宣伝くさく」なりにくい:1つの商品を推すのではなく、選ぶ人の立場で並べるので、押しつけ感が出にくくなります。
- ネタが尽きにくい:色・サイズ・プラン・用途・季節……「どれにする?」の組み合わせは、商品が増えるほど増えていきます。
一方で、つまずきやすいところもあります。
- 全部の違いを書こうとして、表がぎっしりになる:結局どれがいいのか分からず、読む人がまた迷ってしまう。
- 「こっちが一番」と言い切ってしまう:根拠のない最上級の言い方は、誤解やトラブルのもとになります(くわしくは後半で)。
- 「どちらも良いです」で終わる:やさしさのつもりが、迷っている人には一番困る答えになることがあります。
ここは現場でも迷いやすいところです。ひとつずつ見ていけば大丈夫です。
比較・選び方ガイド型投稿を作る4ステップ

ステップ1:よく聞かれる「迷い」を1つ選ぶ
題材は、新しく考えなくて大丈夫です。お客様にすでに聞かれている「どれにする?」から選びます。
- 店頭・窓口のスタッフに「最近よく聞かれる『どっちがいい?』は?」と1つだけ聞いてみる
- 問い合わせフォームやDM、コメントで、同じ質問が何度か来ていないか見返す
- 口コミやレビューの「迷ったけど〇〇にしました」という一文を拾う
集め方は、よくある質問(FAQ)を投稿ネタに変える作り方とほぼ同じです。FAQの中で「どれを選べば?」という形の質問だけを抜き出すと、そのまま比較投稿の候補リストになります。
ステップ2:比べる軸を2〜3個に絞る
次に、何で比べるか(=軸)を決めます。ここで大事なのは、作る側が言いたい違いではなく、迷っている人が気にしている違いを選ぶことです。
| 迷いの例 | 迷っている人が気にしていそうな軸 |
|---|---|
| 2つのサイズ、どっちにする? | 使う人数・置く場所・使い切れるか |
| ベーシックと上位プラン、どっちにする? | 月の費用・使いたい機能・サポートの手厚さ |
| 2種類の素材、どっちにする? | お手入れの手間・使う季節・肌ざわり |
| コースAとB、どっちがいい? | かかる時間・初めてでも大丈夫か・費用 |
軸は2〜3個までにしておくと、スマホの画面1枚で読み切れます。違いが10個あっても、迷っている人の決め手になるのは、たいてい2つか3つです。残りは「くわしくはこちら」と、商品ページやプロフィールのリンクに任せて大丈夫です。
ステップ3:「どれが一番」ではなく「どんな人に向いているか」で書く
比較投稿でいちばん効くのが、この書き方です。優劣ではなく、選ぶ人のタイプで分けて書きます。
- △「Aのほうが優れています」
- ○「毎日使う方にはA、週末だけ使う方にはBが向いています」
こう書くと、読む人は自分の暮らしに当てはめて「私はこっちだ」と選べます。どちらの商品も否定しないので、Bを選んだ人の気持ちも置いていきません。
あわせて、向いていない人もそっと書くと、信頼につながります。「お手入れに時間をかけたくない方には、Aは少し手間に感じるかもしれません」のように、隠さず、責めずに。選んだあとの「思っていたのと違った」が減るので、問い合わせや返品の相談が少し軽くなることもあります。
ステップ4:最後に「迷ったらこれ」と道しるべを置く
最後の1行(カルーセルなら最後の1枚)には、それでも決められない人への道しるべを置きます。
- 「迷ったら、まずは小さいサイズから。足りなければ買い足せます」
- 「迷ったらベーシックプランで始めて、あとから切り替えもできます」
- 「迷ったらコメントかDMで『どっち?』とだけ送ってください。使い方をうかがってお答えします」
「どちらも良いです」で終わらせるより、ひとつだけ方向を示してあげるほうが、迷っている人にはやさしい答えになります。ただし、切り替えや返品の条件など、事実として書く部分は、実際の規約・運用と合っているかを必ず確認してから載せてください。
具体例:比較・選び方ガイド型の投稿文
たとえば、タオルの専門店が「2種類のバスタオル、どっちがいい?」という質問を題材にした場合です。
「ふわふわとさらさら、どっちがいいですか?」
店頭でいちばん多いご質問です。選び方をまとめました。
🛁 ふわふわタイプが向いている方
・お風呂上がりに、包まれる感じが好きな方
・乾燥機を使える方(ふんわり感が戻りやすいです)
🌿 さらさらタイプが向いている方
・部屋干しが多い方(乾きやすい薄手です)
・夏場やジム用に、軽いものがほしい方
迷ったら、まずはフェイスタオルで2種類を試してみるのもおすすめです。
「うちはどっち?」とコメントいただければ、お答えします。
ポイントは、軸が「使い心地」と「乾きやすさ」の2つだけであること、どちらも否定していないこと、そして最後に道しるべがあることです。
画像で見せるなら、カルーセル投稿にして「1枚目=迷いの質問」「2〜3枚目=それぞれ向いている人」「最後の1枚=迷ったらこれ」と並べると、スワイプしながら自然に読み進めてもらえます。保存されやすい形にする工夫は、保存数・シェア数を伸ばす投稿の直し方も参考になります。
言葉選びで気をつけたいこと
比較の投稿は、ほかの投稿より表現の確認が大切になります。とはいえ、自社の商品どうしを「向いている人」で比べる形なら、心配しすぎなくて大丈夫です。次の点だけ押さえておきます。
- 「一番」「最高」「No.1」などは、根拠がなければ使わない:最上級や順位の表現は、根拠となる客観的な調査やデータがないと、景品表示法上の問題につながるおそれがあります。迷ったら「〇〇な方に向いています」に言い換えます。
- 数値で比べるときは、同じ条件で測った事実だけを書く:「約2倍早く乾く」のような数字は、社内で同じ条件で確かめた根拠があるときだけにします。
- 他社の商品と比べるのは、別の判断が必要:他社名や他社商品を出して比べる投稿は、事実の正確さや公正な比べ方がより強く求められます。比較広告の考え方は消費者庁が公表しているので、出す場合は社内の法務・広報と相談してから進めてください(依頼の仕方は法務への確認依頼の進め方にまとめています)。
- 効果・効能にふれるジャンルは特に慎重に:化粧品・健康食品などで「こちらのほうが肌に良い」のように効果を比べる言い方は、薬機法などの観点から確認が必要です。
投稿前の確認は、企業SNS投稿前チェックリストと合わせて使うと安心です。
あなたへの影響
- 何度も答えてきた「どっちがいい?」が、くり返し使える投稿ネタに変わる。
- 投稿を見て選んでから来てくれるお客様が増え、店頭や問い合わせでの説明が少し短くなる。
- 商品を推すのではなく「選ぶお手伝い」をする投稿なので、宣伝くさくならずに商品の魅力を伝えられる。
- 現場のスタッフから「この質問も投稿にしてほしい」と、ネタが集まりやすくなる。
明日やること(15分でできる範囲)
- 店頭・窓口・DMのどこかで、最近聞かれた「どっちがいい?」を1つ思い出す(またはスタッフに1つだけ聞く)。
- その迷いについて、比べる軸を2〜3個だけ書き出す。
- 「〇〇な方にはA」「〇〇な方にはB」の2行を書いてみる。
- 最後に「迷ったら〇〇」の1行を足す。
この4行ができれば、投稿の下書きはもうほとんど完成です。
チェックリスト
- 題材
- お客様に実際に聞かれた「どっちがいい?」を題材にした
- 比べるのは自社の商品・プランどうしにした(他社と比べる場合は法務・広報に相談済み)
- 構成
- 比べる軸を2〜3個に絞った
- 「どれが一番」ではなく「どんな人に向いているか」で書いた
- 向いていない人も、責めない言い方でそっと書いた
- 最後に「迷ったらこれ」の道しるべを置いた
- 表現
- 根拠のない「一番」「最高」「No.1」を使っていない
- 数値は同じ条件で確かめた事実だけにした
- 切り替え・返品などの条件は、実際の規約と合っているか確認した
全部を毎回でなくて大丈夫です。まずは太字の3つから。
最後に
「どっちがいいですか?」と聞かれるのは、あなたやお店が頼りにされている証拠です。そのたびに丁寧に答えてきた言葉は、もうそれだけで、誰かの迷いをほどく力を持っています。
投稿にするのは、その言葉を少し並べ直すだけ。まずは今日聞かれた質問をひとつ思い出して、「〇〇な方にはこちら」の2行を書いてみましょう。

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