投稿の反応を見ながら、いいねはついているのに保存やシェアが少ないことに気づいて考え込んでいる企業SNS担当者の情景

SNSの保存数・シェア数を伸ばす|見る指標と投稿の直し方

いいねはそれなりについている。 でも、保存はひとけた。シェアはゼロ。

投稿一覧を眺めながら「悪くはないんだけど、なんだろうこの手ごたえのなさ」と思ったこと、ありませんか。

数字が出ていないわけではないんです。ただ、届いた人の心が少しだけ動いたという感触が、いまひとつつかめない。ひとりで運用していると、これはけっこう静かにこたえます。

保存とシェアは、いいねより数が小さく出るぶん、無視されがちな数字です。でも実は、この2つは投稿の中身がどう受け取られたかをいちばん正直に教えてくれます。今日は、この2つを分けて考えるところから整理していきます。

結論:保存とシェアは、伸ばし方が別ものです。
① 保存は「あとで自分が使いたい」から起きる → 使える情報の密度を上げる
② シェアは「誰かに見せたい・自分を表せる」から起きる → 人に渡したくなる一言を足す
まずは自分の投稿を見て、どちらを狙う投稿なのかを1つ決める。両方を同時に狙うと、どっちつかずになりやすいところです。

保存とシェアは、動いている気持ちが違う

同じ「反応」でひとくくりにされがちですが、押される瞬間の気持ちはまったく別です。

→ 動いているのは自分のための気持ち

→ 動いているのは誰かに向けた気持ち

だから、保存を増やしたいときに「共感できる一言」を足しても、あまり効きません。逆に、シェアを増やしたいときに情報を詰め込むと、かえって重たくなって渡しづらくなります。

伸びない原因が「がんばりが足りないから」ではなく、狙いと打ち手がずれているだけ、ということはよくあります。

保存は自分のためにあとで見返す行動、シェアは誰かに見せる行動という違いを左右に並べて示した概念図
保存は「自分のため」、シェアは「誰かのため」。動く気持ちが違うので、投稿の直し方も変わります。

いまの数字を、割合で見てみる

「保存が10件」だけでは、多いのか少ないのか判断できません。届いた人数がちがえば、意味も変わるからです。

そこで、届いた人に対する割合で見ます。

たとえば、リーチ2,000で保存40件なら、40 ÷ 2,000 × 100 で保存率2.0%。同じ投稿でシェアが30件なら、30 ÷ 2,000 × 100 でシェア率1.5%です。

「何%あれば合格ですか」への正直な答え
業種・フォロワー数・投稿の種類で大きく変わるため、すべてに当てはまる目標値はありません。よその平均値を借りてくるより、自分の直近10〜20投稿の平均を出して、それを基準にするほうが実務では役に立ちます。自分の平均より高い投稿が、あなたのアカウントの「勝ち筋」です。

数字が置いてある場所は、SNSごとに呼び名も画面も違います(仕様は変わりやすいので、最終的には各SNSの最新の公式ヘルプで確認してください)。

なお、保存やシェアが多いと表示が伸びる、といった話をよく聞きますが、各SNSのアルゴリズムの中身は公開されていません。ここは断定せず、「自社のアカウントで、保存の多い投稿がどうだったか」を見るほうが確かです。

数字の全体の見方はSNSインサイトの見方、割合の考え方はエンゲージメント率の出し方と見方に整理しています。

保存を増やす:あとで使える形にする

保存されるのは、その場で消費しきれない情報です。読んで「へえ」で終わる投稿は、保存する理由がありません。

明日から試せる直し方を、小さい順に挙げます。

  1. 数を入れて、まとまりにする

「気をつけたいポイント」より「確認したい5つ」。数があると、あとで探しやすくなります。

  1. その場でやらないことを書く

「今日中にやりましょう」ではなく「必要になったときに、この順番で」。将来使う前提の書き方にすると、保存の理由が生まれます。

  1. 一覧・早見表の形にする

サイズ、期限、順番、比較。頭で覚えておきたくないものほど、保存されます。

  1. 1枚目に「何がまとまっているか」を書く

保存したあと、サムネイルだけで見つけられるようにする。ここは見落としやすいところです。

  1. 本文に「保存しておくと、あとで探さずに済みます」と一言添える

押しつけにならない範囲で、使い道を伝えるだけで十分です。

複数枚で見せる投稿は保存と相性がいいので、カルーセル投稿の構成もあわせて見てみてください。豆知識型の作り方はクイズ・豆知識で保存される投稿にまとめています。

シェアを増やす:渡しやすくする

シェアは、渡す人が恥ずかしくないことが条件になります。宣伝色が強い投稿がシェアされにくいのは、渡した側の見え方に関わるからです。

同じ職種・同じ立場の人に転送されるのは、たいてい「あるある」の投稿です。

渡すときに説明が要る投稿は、渡されません。引用して転送できる一文があるかを確認します。

役に立つ話が主役で、会社はその後ろ。これだけでシェアの心理的なハードルは下がります。

スクリーンショットやストーリーズ送信で流れるとき、本文は読まれないことが多いためです。

文の型そのものは反応が伸びる投稿文の書き方にまとめてあります。

「どちらも少ない」ときに、まず疑いたいこと

保存もシェアも動かないとき、いきなり中身を全部書き直す必要はありません。順番に見ていくと、たいてい手前で止まっています。

  1. そもそも届いていない(リーチが普段より少ない)

→ 中身の問題ではなく、投稿時間や本数の話かもしれません。リーチと表示回数の違いはインプレッションとリーチの違いへ。

  1. 届いているが、最後まで読まれていない

→ 冒頭で「自分に関係ある」と分かる形になっているかを見ます。

  1. 読まれているが、持ち帰るものがない

→ 保存の打ち手(数・一覧・早見表)を1つ足します。

  1. 役に立つが、人に渡しづらい

→ シェアの打ち手(言い切り・宣伝色を薄める)を1つ足します。

一度に全部を直さなくて大丈夫です。1投稿につき、変えるのは1か所だけ。そのほうが、何が効いたのか分かります。

明日やること(15分でできる範囲)

  1. 直近10投稿のリーチ・保存・シェアを、表計算に書き出す(3列だけ)
  2. 保存率とシェア率を計算して、平均を出す
  3. 平均より保存率が高かった投稿を1つ選び、共通点を一言メモする
  4. 次の投稿を、保存狙いかシェア狙いか、どちらか1つに決める
  5. その投稿に、上の打ち手を1つだけ足して出す

3つの列を埋めるだけなら、コーヒーを飲みながらでも終わります。振り返りの手順そのものは投稿の振り返り分析もどうぞ。

チェックリスト

出す前に、この投稿がどちらを狙っているか確認するためのリストです。全部に丸がつかなくて大丈夫です。

最後に

投稿の反応を確かめて手ごたえをつかみ、次に試すことが見えて前を向いている企業SNS担当者の情景

保存もシェアも、狙って出せるようになるまでには時間がかかります。何度か外して、たまに当たって、その繰り返しです。

でも、いいねの数だけで一喜一憂していた状態から、「この投稿は保存を狙った」と言えるところまで来たなら、それはもう運用が一段深くなっています。

今日、直近の投稿を1つ開いて保存数を見た。それだけで十分な一歩です。

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企業SNS運用の実務ヒントを、メールでも少しずつお届けしています。ひとりで抱え込まず、続けられる運用を一緒に作っていきましょう。