深夜のデスクで投稿頻度を増やすべきか迷いながら、ノートに今月の投稿本数を書き出している企業SNS担当者の情景

企業SNSの投稿頻度は成果に効くのか|自社データで確かめる手順

「今月、投稿が少なかったかもしれない」。 月末に管理画面を開いて、そう思ったことはありませんか。上司から「もっと出したほうがいいんじゃない?」と言われて、返す言葉が見つからなかった夜もあるかもしれません。

投稿を増やせば伸びるのか。減らしたら見放されるのか。 ネットには「週◯回が最適」という記事がたくさんありますが、読むほどに数字がバラバラで、結局どれを信じればいいのか分からなくなりますよね。

その迷い、まっとうです。というのも、最適な投稿頻度は業種でもフォロワー数でも変わるので、他社の平均をそのまま持ってきても自分のアカウントの答えにはならないからです。答えは、すでにあなたの手元の数字の中にあります。

結論:投稿頻度は「増やすか減らすか」で悩むのではなく、自社の過去の数字で確かめるのがいちばん近道です。
① 過去3か月の「投稿本数」と「主役の数字の合計」を月ごとに並べる
合計1本あたりの2つを出す(この2つは、しばしば逆の動きをします)
③ 4週間だけ本数を変えて試し、同じ2つを比べて判断する
この記事では、この3ステップを計算例つきで整理します。読み終えたら、今日15分で「うちは今のままでいい/少し増やす/むしろ減らす」の見当がつきます。

なぜ「たくさん投稿すれば伸びる」と言い切れないのか

まず、何が起きているのかを整理します。

投稿を増やすと、たしかに合計の表示回数は増えやすいです。単純に、表示される機会そのものが増えるからです。ここまでは直感どおりです。

ところが、同時にこんなことも起きます。

つまり、投稿頻度は「増やせば増やすほど良い」わけでも「少ないほど丁寧で良い」わけでもなく、あなたのアカウントの体力と相談して決めるものです。

なお、どれくらい表示されるかの仕組み(アルゴリズム)は各プラットフォームで異なり、変更もたびたび入ります。「◯回投稿すると表示が伸びる/減る」といった話は、公式に明言されていないものも多く、確実なこととして扱わないほうが安全です。仕様の前提が気になるときは、各SNSの公式ヘルプで最新の説明を確認してください。だからこそ、自分のアカウントで実際に起きたことを見るのがいちばん確かなのです。

準備:比べる「主役の数字」を1つ決める

検証に入る前に、1つだけ決めておきます。「何が増えたら、うちは伸びたと言えるのか」です。

主役は1つで十分です。増やすほど判断がぶれます。この選び方に迷ったら、目的から逆算する考え方をこちらにまとめています。→ 企業SNSのKPI|フォロワー数より目的別に見る指標の選び方

インプレッションとリーチの違いがあいまいなままだと集計がずれるので、必要なら先に確認しておくと安心です。→ インプレッションとリーチの違い|実務での使い分け

ステップ1:過去3か月の「本数」と「合計」を並べる

準備ができたら、集計です。用意するのは、月ごとの数字だけ。1投稿ずつ見る必要はありません。

各SNSの分析画面(インサイト)で、月ごとに次の2つを控えます。

  1. その月に出した投稿の本数
  2. その月の主役の数字の合計(例:インプレッションの合計)

メモ帳でも表計算でも大丈夫です。3か月ぶんあれば十分に見えてきます。

分析画面のどこを見ればいいか迷ったら、こちらもどうぞ。→ SNSインサイトの見方|主要SNSの数字の読み方

ステップ2:「合計」と「1本あたり」の両方を出す

ここがこの記事のいちばん大事なところです。

集めた数字から、1本あたりを出します。計算はこれだけです。

1本あたり = 主役の数字の合計 ÷ その月の投稿本数
投稿頻度を「合計」と「1本あたり」の2つの見方で比べる横並びの図
本数を増やすと「合計」は増えても、「1本あたり」は下がることがある。片方だけを見ると判断を誤りやすい。

たとえば、こんな数字が出たとします。

投稿本数インプレッション合計1本あたり
5月12本24,0002,000
6月20本30,0001,500

計算を確かめておきます。5月は 24,000 ÷ 12 = 2,000。6月は 30,000 ÷ 20 = 1,500 です。

この2か月を並べると、こう読めます。

本数を1.7倍にがんばったのに、合計は1.25倍にしかなっていません。そして1本あたりは4分の3に下がっています。

ここで「じゃあ増やした意味がなかったのか」と落ち込む必要はありません。合計は確かに増えています。見たいのは、その増え方が、増やした労力に見合っているかです。

かけた時間も一緒に置いてみると、判断しやすくなります。1本作るのに30分かかるとすれば、12本で6時間、20本で10時間。同じ月に4時間ぶん多く働いて、合計は25%増えた、という見え方になります。

この4時間をどう考えるかは、あなたと会社の状況しだいです。「今は認知を広げたい時期だから、合計が増えたなら十分」も正解ですし、「その4時間を1本の作り込みに回したほうがよさそう」も正解です。

ステップ3:4週間だけ本数を変えて試す

過去の数字は季節や商戦期の影響を受けるので、それだけで結論は出しきれません。そこで、4週間だけの小さなお試しを挟みます。

終わったら、直前の4週間と同じように「合計」と「1本あたり」を出して並べます。同じ考え方で投稿の中身を試したいときは、こちらが使えます。→ SNS投稿のA/Bテスト|勝ちパターンの見つけ方

ステップ4:3つのパターンで判断する

出そろった数字は、だいたい次の3つに分かれます。

① 合計が増えて、1本あたりもほぼ変わらない 増やした本数が、そのまま成果になっているパターンです。まだ余力があるなら、この頻度を続けてみる価値があります。ただし、続けられる本数かどうかは別の話です。ムリなく回せるかを、時間で確認してください。

② 合計は増えたが、1本あたりが大きく下がった 先ほどの計算例がこれです。判断は「増やした労力に見合うか」。認知を広げたい時期なら続ける、手が回らないなら本数を戻して1本の質に時間を使う。どちらでも構いません。大事なのは、なんとなく増やし続けないことです。

③ 合計も1本あたりも下がった 本数を増やしたことで、かえって全体が落ちたパターンです。この場合、原因は本数そのものより「埋めるための投稿が混ざったこと」かもしれません。いちど本数を戻して、投稿の中身のほうを見直すほうが早いことが多いです。→ 投稿の振り返り分析|伸びた・伸びないを次に活かす手順

どのパターンでも、いきなり大きく変えなくて大丈夫です。次の4週間で、また少し調整すればいい。それだけのことです。

「増やす」以外の選択肢も、ちゃんとある

上司に「もっと投稿を」と言われると、本数を増やす以外の道がないように感じてしまいます。でも、実際にはこんな手もあります。

そして、頻度を変えると決めたなら、続けられる形に落とすところまでがセットです。週の型に落とし込む手順はこちらにまとめています。→ ひとり運用でも続く企業SNS投稿スケジュールの組み方|週1の型

明日やること(15分)

明日やるのは、この3つだけで十分です。

  1. 主役の数字を1つ決める(迷ったらインプレッションで始めてOK)
  2. 直近3か月の「本数」と「合計」を分析画面から書き写す
  3. 電卓で「合計 ÷ 本数」を3回叩いて、1本あたりを出す

ここまでで、たいてい何かが見えます。お試しの4週間は、そのあとで決めれば大丈夫です。

反応の数字を主役にする場合は、エンゲージメント率の計算をこちらで自動化できます。→ エンゲージメント率 計算ツール

チェックリスト

全部埋まらなくて大丈夫です。「本数」と「合計」の2列を3か月ぶん並べるところまでで、判断の材料は半分そろっています。

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投稿頻度に、業界共通の正解はありません。 あるのは、「今のあなたが続けられて、目的の数字が動く本数」だけです。

そして、それはもう探しにいける場所にあります。管理画面の中の、たった2列の数字です。 今月の本数を数えようとしているだけで、あなたはもう「なんとなく」から抜け出しはじめています。明日は、電卓を3回叩くところまでで十分です。

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