夕方のオフィスで、企業SNS担当者がノートパソコンの前に座り、壁の時計をちらりと見上げて「今日もSNSで一日が終わった」と少し疲れた表情を浮かべている情景

SNS運用の作業時間を記録して見直す方法|「かかりすぎ」を減らす1週間の型

金曜の夕方。今週やったことを思い返してみると、投稿したのは3本だけ。 それなのに、なぜか毎日SNSの作業に追われていた気がする。

「SNSって、そんなに時間かかるの?」 上司にそう聞かれて、「いろいろあって……」としか答えられなかった——そんな経験はありませんか。

企業SNSの仕事は、投稿ボタンを押すまでの見えない作業がとても多い仕事です。画像を作る、言葉を直す、社内に確認する、コメントを見る、数字をまとめる。ひとつひとつは小さくても、積み重なると一日があっという間に溶けていきます。 忙しいのは、あなたの段取りが悪いからではありません。ただ、どこに時間を使っているかが見えていないだけかもしれません。

結論:作業時間の見直しは、1週間だけ記録するところから始めれば十分です。
① 記録する:作業を始めたときと終えたときに、時刻と作業名を一言メモする(1週間だけ)
② 仕分ける:記録を「企画・制作・確認・対応・分析・探しもの」の6つの箱に分けて合計する
③ 見直す:時間がかかっている箱から1つだけ選び、「やめる・まとめる・型にする」のどれかを試す

全部を効率化する必要はありません。いちばん大きい箱をひとつ軽くするだけで、毎週の手ごたえは変わってきます。

何が起きているか:SNSの作業時間は「細切れ」で見えにくい

SNS運用の時間が見えにくいのには、理由があります。

その結果、「なんとなく忙しい」「でも何に時間を使っているか説明できない」という状態になりがちです。 感覚だけで「もっと効率よくしなきゃ」と思っても、どこから手をつければいいか分からない。だから、まず数字にして見える場所に出すところから始めます。

作業時間の記録と見直しは「記録・仕分け・見直し」の3ステップ

作業時間の見直しを3つの場面で示した図。左は担当者が作業の合間にスマートフォンのメモに時刻を書き留める様子、中央は付箋を色ごとの箱に仕分けている様子、右はいちばん大きな箱の前で付箋を1枚はがして身軽になっている様子
作業時間の見直しは「記録・仕分け・見直し」の3つ。1週間記録して、いちばん大きい箱をひとつだけ軽くします。

ステップ1:記録する|1週間だけ、始めと終わりを一言メモ

記録は、1週間だけで大丈夫です。ずっと続ける必要はありません。

やり方はシンプルです。SNSの作業を始めたときと終えたときに、時刻と作業名を一言メモします。

【SNS作業メモ】10/6(月)
09:10-09:25 コメント・DM確認
10:00-10:45 水曜投稿の画像づくり(素材探し15分含む)
13:30-13:40 先週の投稿の数字チェック
15:00-15:20 広報課長に投稿文の確認依頼→返事待ち
16:40-16:55 確認の戻りを反映して予約

記録するときのコツは3つです。

書き忘れた日があっても大丈夫です。思い出せる範囲で、夕方にまとめて書けば十分役に立ちます。

ステップ2:仕分ける|6つの箱に分けて合計する

1週間たったら、メモを次の6つの箱に分けて、箱ごとに時間を合計します。

箱入る作業の例
企画ネタ出し、投稿カレンダーづくり、他社アカウントのチェック
制作文章を書く、画像・動画を作る、撮影
確認社内への確認依頼、修正のやりとり、承認待ちの対応
対応予約・投稿、コメント・DMの確認と返信
分析数字を見る、月次レポートを作る
探しもの素材・過去投稿・ログイン情報などを探す

合計したら、大きい順に並べるだけです。グラフにしなくても、数字が並ぶだけで「思っていたのと違う」ことが見えてきます。

「制作に時間がかかっていると思っていたら、実は確認のやりとりのほうが長かった」 「探しものだけで週に1時間近くあった」 こういう発見は、記録してみて初めて分かることです。

ステップ3:見直す|大きい箱をひとつだけ「やめる・まとめる・型にする」

見直すのは、いちばん大きい箱(または、いちばん「もったいない」と感じた箱)をひとつだけです。全部を一度に変えようとすると、それ自体が新しい負担になってしまいます。

見直し方は、次の3つから選びます。

どれを選ぶか迷ったら、「探す」「待つ」「やり直す」が多い箱から手をつけるのがおすすめです。ここは仕組みで減らしやすい時間だからです。

まとめて作る進め方はSNS投稿の作りだめ|1週間分をまとめて作る「バッチ運用」のやり方、型にする進め方は企業SNS投稿テンプレートの作り方|制作時間を減らす型と項目、探しものを減らす進め方はSNS運用の素材管理|画像を探す時間をなくす保管と命名のルールにまとめています。

具体例:1週間記録したら、画像づくりと探しものが大きかった

雑貨メーカーで、営業事務と兼務しながらSNSを担当しているCさん(ひとり運用)の例です。

Cさんは「とにかく時間が足りない」と感じていて、1週間だけ作業時間をメモしてみました。週に3本投稿した週の合計は、次のとおりでした。

箱中身1週間の合計
制作画像づくり 40分×3本、文章 15分×3本165分
対応コメント・DM確認 15分×5日75分
確認上司への確認依頼と修正のやりとり60分
探しもの過去の写真や商品画像を探す40分
分析投稿の数字を見る30分
合計370分(約6時間10分)

いちばん大きかったのは制作、とくに画像づくりの120分でした。そして、思っていた以上に探しものが40分ありました。

そこでCさんは、2つだけ変えました。

合わせて週に約90分(1時間30分)。370分が280分(約4時間40分)になりました。 浮いた時間でCさんが始めたのは、コメントをくれたお客様の投稿をゆっくり見に行くことでした。「やっと、SNSの楽しいところに時間を使えるようになった」と話していたそうです。

数字はあくまで一例です。かかる時間は会社や商材、投稿の種類によって大きく変わります。大事なのは、自分の数字で見ることです。

あなたへの影響

時間の数字は、月次レポートに「運用にかかった時間」として1行添えておくのもおすすめです(企業SNSの月次レポート|30分で作るテンプレと載せる項目も参考に)。

明日やること

  1. 記録の置き場所を決める:スマホのメモでも、手帳の1ページでも構いません。「SNS作業メモ」と1行目に書くだけで準備完了です。
  2. 明日の最初のSNS作業から、時刻と作業名を書く:始めと終わりの時刻、作業名を一言。「探した」「待った」もカッコで添えます。
  3. 1週間後の予定に「仕分けの15分」を入れておく:カレンダーに入れておくと、記録して終わりになりにくくなります。

チェックリスト(保存用・SNS運用の作業時間の見直し)

全部そろえる必要はありません。まずは上の3つから始めましょう。

まずここだけ(最低ライン)

できれば(慣れてきたら)

明るい午後のオフィスで、企業SNS担当者が少し余裕のできた時間にスマートフォンでお客様の投稿をうれしそうに眺めている情景。机の上は片付いていて、穏やかな表情
どこに時間を使っているかが見えれば、その時間は少しずつ取り戻せます。浮いた時間は、あなたが大事にしたい仕事に。

よければ、こちらも

企業SNS運用の実務ヒントを、メールでも少しずつお届けしています。ひとりで抱え込まず、続けられる運用を一緒に作っていきましょう。

毎日あれだけ手を動かしてきたのだから、忙しいと感じるのは当然です。それは、あなたがこのアカウントにちゃんと時間をかけてきた証拠でもあります。 その時間の中身が見えれば、軽くできるところはきっと見つかります。 まずは明日、最初のSNS作業の時刻を、1行だけメモしてみましょう。

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