
企業SNSの投稿承認フロー|速くて崩れない仕組みの作り方
「この投稿、出していいですか」。 既読はつくのに、返事がこない。催促もしづらく、気づけば予定時刻を過ぎる——。逆に自分判断で出したあと「誰がOKした?」で冷や汗、も日常あるあるです。
ここでは、承認待ちで止まりにくく、でも崩れない、現場で回るフローを一緒に組み立てます。ひとり運用でも、上司確認ありの体制でも使える形です。
結論:承認は「丁寧にする」より「先に決めておく」。
- 投稿をリスクで2〜3段階に分ける(軽い投稿は型内なら承認省略)
- 段階ごとに「誰が・何時間以内に・どこで」確認するかを決める
- 承認が残る場所を1つに統一する
- 営業時間内と時間外でSLAを分け、超過時の代替手段を決めておく
なぜ承認で投稿が止まるのか
原因の大半は、運用前に「何を・誰が・いつまでに・どこで」を決めきれていないこと。
- 全投稿を同じ重さで上長に回して渋滞
- 期限が曖昧で後回し
- OKが口頭・散在チャットで流れ、あとから追えない
必要なのは、丁寧さの総量ではなく、確認側がすぐ判断できる「分け方」と「型」です。
投稿をリスクで分ける(承認の重さを変える)

三段階に分け、軽いほど短く流します。
軽い投稿(担当判断で即公開/翌営業日に事後チェック)
日常的で、影響が小さいもの。
- あいさつ、日常の風景、季節の話題
- 公開済み情報の再掲
- 定型のお知らせ(変更なしの営業時間など)
ガードレール(軽い投稿の条件)
- 事前承認済みテンプレ文と言い回しのみ使用
- 素材は社内ライブラリのみ(新規撮影は事前承認後に)
- 個人特定情報・数値・金額なし、PR表記不要なものに限定
- 翌営業日にスポットチェック(担当外の目でざっと確認)
中くらい(確認1名でOK)
表現・事実に注意が要るもの。
- 商品・サービス紹介、キャンペーン告知
- 数字・日付・価格・条件を含む
- お客様の声・UGCを使う(許諾確認を含む)
→ 事前に指名した1名が確認。「事実の正確さ」「条件の記載漏れ」を主に見る。
重い(複数/責任者の確認が必要)
判断ミスの影響が大きいもの。
- 謝罪・お詫び、トラブル関連
- 時事・社会的テーマに触れる
- 法務・表記が絡む(PR表記、景表法・薬機法に触れうる表現など)
- 経営・人事・他社に関わる発信
→ 責任者を含む複数で確認。急ぎでもここは省略しない。
最初は「軽い/重い」の2段階だけでもOK。運用しながら微調整で十分です。
「誰が・何時間以内に・どこで」を段階ごとに決める(現実SLA)
現場で回るよう、営業時間と時間外でSLAを分けます。場所は1つに固定。
- 軽い:担当判断→即公開→翌営業日にスポットチェック(場所=承認用スレ or シート)
- 中くらい:
- 通常SLA(営業時間内):4〜8時間以内に確認
- 急ぎ枠:2時間以内(事前に「急ぎ」フラグを明示)
- 時間外:翌営業日朝までに一次返答
- 重い:
- 原則:当日中に判断(時間外は翌営業日中)
- 法務含むときは、事前に期日設定のうえ回付
期限超過時の扱い(先に決めておく)
- 投稿を延期する
- 代理承認者へエスカレーション(当番・代理を事前指名)
- 軽い投稿に差し替え(テンプレから選ぶ)
不在・時間外の代替ルール
- 代理承認者の指名と当番制を用意
- チャットで2回リマインド後、自動で代理へエスカレーション
- 週末・祝日は「原則は事前予約のみ」。緊急時は当番者にのみ連絡可
「言った/言わない」を防ぐ承認の残し方(記録の型)
承認の場所は1つに統一(専用チャットスレ or 承認シート)。残す項目をもう一歩具体に。
承認シート(例:1行1投稿)
- 投稿予定日・時間/リスク段階(軽い/中くらい/重い)
- 投稿案リンク(本文・画像)
- 確認者/代理
- 承認チャットのパーマリンク
- 最終版ファイル名/保存場所/版数
- 最終承認者と時刻/公開済みチェック
再承認が要る修正条件
- 数字・日付・金額の変更
- 画像差し替えや文言変更で意味が変わる
- PR表記の有無が変わる
チャットのみで運用する場合は、投稿ごとにスレッド固定+パーマリンクをシートに貼る運用で代替可。
法務・権利の入口(迷ったらここに戻る)
- UGCの許諾、PR表記、景表法・薬機法などの簡易チェックは、社内の短いチェック表に集約(詳細は公式情報で確認)
- 重い投稿で法務判断が必要な場合の窓口(部署・連絡方法)を明記
- 関連の把握に役立つページ
- ▶ 企業SNS投稿前チェックリスト(権利・表記の基本): /toukou-mae-checklist.html
権限分離のひと言(事故を減らす)
- 実際に公開ボタンを押せるアカウントは限定
- 軽い投稿は「予約ツールで事前承認済みのみ自動公開」など、手動公開を減らす代替案を用意
体制規模別のサンプル(最小限フロー)

- 1人運用
- 軽い:担当が自走→翌営業日に事後報告
- 中・重い:翌営業日に確認対応(予約で待つ)
- 小規模(担当+確認1名)
- 軽い:担当即公開→翌営業日にスポットチェック
- 中:担当→確認1名(通常4〜8h/急ぎ2h)→公開
- 重い:担当→確認1名+上長→公開
- 大規模(担当+上長+法務)
- 軽い:予約から自動公開(事前承認済み)
- 中:担当→上長(4〜8h)→公開
- 重い:担当→上長→法務(必要時)→責任者→公開
具体例:同じ投稿でも、こう動く
「新商品の予約開始」=中くらい。
- フロー無し:個別チャット→相手が会議中→開始時刻に遅延→催促→OK
- フロー有り:承認シートに記入→確認者はSLA内にチェック→OK欄に記録→予定どおり公開
違いは「誰が・いつまでに・どこで」が先に決まっているかどうかです。
定期の見直し(遅延を放置しない)
月1の10分レトロを提案。
- SLA遵守率と承認リードタイムを確認
- 遅延が多い箇所は確認者交代やSLA再設定で回る形に調整
週末・祝日の対応
- 原則:事前予約のみ(軽いは自動公開、中・重いは前営業日までに承認)
- 緊急時:当番者へ連絡可(当番制と連絡先を明記)
- 期限超過時:延期/代理承認へエスカレーション/軽い投稿へ差し替え
あなたへの影響
- 承認待ちの滞留が減り、予定どおり出しやすくなる
- 「誰がいつOKしたか」が残り、安心して公開できる
- 軽い投稿は自走でき、確認依頼の総量が減る
- 担当交代時も運用が崩れにくい
明日やること(最短で回す初期設定)
- 直近10本を「軽い/中くらい/重い」に仕分け
- 軽い投稿の範囲とテンプレ・素材のルールを上司と合意
- 中・重いの確認者と代理、SLA(通常4〜8h/急ぎ2h、時間外=翌営業日朝)を決定
- 承認の場所を1つに固定(専用スレ or 承認シート)し、パーマリンク欄を用意
投稿承認フロー チェックリスト(現場で回る版)
最低ライン(必須)
- 投稿の分類(軽い/中/重い)
- 確認者と代理の指名(当番含む)
- 承認の場所を1つに統一(スレ or シート)
- 誰がいつOKしたか残る(パーマリンク or 記録列)
- 重い投稿は省略しない
次点(余力があれば)
- 期限を数字で設定(通常4〜8h・急ぎ2h/時間外は翌営業日朝)
- 1ページの簡易フロー(既存ツール内で可)を用意
代替・免除条件
- 1人運用:軽いは自走+翌営業日事後報告。中・重いは翌営業日対応
- 繁忙期:期限を「当日中→翌営業日中」に一時緩和
- 週次バッチ承認:軽いは随時、中・重いは週1でまとめ確認
- チャットのみ運用:スレッド固定+パーマリンク貼付でシート代替可

よければ、こちらも
「うちの規模だと、承認はどこまで分ければいい?」と迷ったら。企業SNS運用の実務ヒントを、メールでもお届けしています。よかったら受け取ってみてください。