夕方のオフィスで、会議の資料と本業の書類に囲まれながら、スマートフォンで今日の投稿を急いで作ろうとしている企業SNS担当者の情景

SNS投稿の作りだめ|1週間分をまとめて作る「バッチ運用」のやり方

会議が終わって、ふと時計を見ると夕方。「あ、今日の投稿まだだった」と、スマホを取り出して急いで写真を探し始める。

そんな日が、週に何度かありませんか。

投稿そのものは5分で出せても、「今日は何を出そう」から始めて、撮って、書いて、確認して……と毎日ぜんぶを一から回していると、それだけで頭の片すみがずっとSNSに取られてしまいます。

これは段取りが下手だからではありません。兼務の担当者が、毎日「企画から公開まで」を1日で完結させる形そのものが、細切れの時間には合っていないだけです。

今日は、その負担を少し軽くする「作りだめ(バッチ運用)」のやり方を、作業の分け方から、作りだめに向かない投稿の見分け方まで、順番に整理していきます。

結論:投稿の作りだめは、次の3つを押さえれば始められます。
① 作業を「考える・撮る・書く・予約する」の4つに分ける:1本ずつ全部やるのではなく、同じ作業をまとめて片づける
② 週に一度、60〜90分の「作る時間」を先に予定に入れる:まずは1週間分(2〜3本)からで十分
③ 作りだめに向く投稿と向かない投稿を分けておく:時事・告知・その場の反応は作りだめしない。予約した投稿は、出る直前に一度だけ見る
全部を作りだめにしなくて大丈夫です。半分でも前倒しできると、毎日の気持ちがずいぶん変わります。

SNS投稿の作りだめ(バッチ運用)とは

バッチ運用は、もともと「同じ種類の作業をまとめて処理する」という考え方です。SNS運用に当てはめると、投稿1本ごとに企画から公開までを通すのではなく、工程ごとに数本分をまとめて片づけるやり方になります。

たとえば、毎日1本ずつ作るとこうなります。

作りだめにすると、こう変わります。

作業の量そのものは、実はあまり変わりません。変わるのは、「作業を切り替える回数」と「毎日SNSのことを考えている時間」です。

作りだめで楽になる理由

作業を切り替えるたびに、人はちょっとずつ「さて、何をするんだっけ」と頭を立ち上げ直しています。撮影のためにカメラの設定を思い出す、画像テンプレートを開く、トーンを思い出して書き始める。1本ずつだと、これを毎回やることになります。

まとめて作ると、この立ち上げが1回で済みます。3本目を書くころには手が慣れていて、1本目よりずっと早く書けているはずです。

それに、何より大きいのは「今日の投稿がもうある」という安心です。急な来客や打ち合わせで一日がつぶれても、予約した投稿は出ていきます。

作業を4つの工程に分ける

作りだめの土台になるのは、投稿の作業を工程で分けることです。細かく分けすぎず、この4つで十分です。

左から右へ4つの作業場面が並び、電球を思い浮かべる人・スマートフォンで商品を撮る人・ノートパソコンで文章を書く人・カレンダーに予定を置く人の順に進むことを矢印で示した工程図
投稿の作業を「考える・撮る・書く・予約する」の4工程に分け、工程ごとに数本分をまとめて片づけます。
  1. 考える:今週出す投稿のテーマを、本数分決める。見出し1行と、使う素材のメモまで
  2. 撮る:必要な写真・動画を、まとめて撮る
  3. 書く:投稿文と画像をまとめて仕上げる
  4. 予約する:予約投稿を入れて、カレンダーに書き込む

ポイントは、この4つを1日で全部やらなくてもいいことです。

「考える」だけは月曜の朝10分、「撮る」は現場に行く用事のついでに火曜、「書く」と「予約する」は水曜の午後にまとめて——という分け方でもかまいません。工程がはっきりしていると、空いた15分に「今日は撮るだけやろう」と、隙間の時間を使いやすくなります。

作りだめの進め方:1週間分をまとめて作る手順

ここからは、週に一度まとめて作る日の流れです。最初は1週間分・2〜3本から始めてみてください。慣れてきたら2週間分に広げれば十分です。

1. 作る時間を、先に予定表に入れる

最初にやることは、作業そのものではなく予定表に「SNS作る」の枠を入れることです。60〜90分、会議の入りにくい曜日と時間帯を選びます。

「時間ができたらやろう」だと、兼務の手ではなかなかその時間はやってきません。先に枠があると、それが自分との小さな約束になります。

2. 今週の本数とテーマを決める(考える:15分)

コンテンツカレンダーがあれば、それを見ながら今週の分を書き出します。まだなければ、メモに箇条書きで大丈夫です。

テーマが浮かばない週は、投稿ネタの引き出し30パターンから選ぶだけでもかまいません。連載企画があるなら、その週の回を1本入れておくと、考える量がぐっと減ります(連載企画の続け方)。

3. 素材をまとめて撮る・集める(撮る:20〜30分)

撮影は、同じ場所・同じ光でまとめて撮ると早く済みます。3本分の写真を、それぞれ数カットずつ。あとで選べるように、少し多めに撮っておくと安心です。

撮った素材は、その場でフォルダに分けておきましょう。「どれを使うんだっけ」と探す時間が、意外と作りだめの時間を削ります。保存の決まりは素材管理と命名のルールにまとめています。

社員やお客様が写る写真を使う場合は、同意の確認もこのタイミングで済ませておきます(社員が写る投稿の同意の取り方)。

4. 投稿文と画像をまとめて仕上げる(書く:30分)

書く工程は、画像を3本分先に作ってから、文章を3本分書くと手が止まりにくくなります。画像テンプレートを1つ作っておけば、写真と一言を差し替えるだけです(投稿画像のデザイン統一)。

文章も、投稿テンプレートがあれば埋めていくだけで形になります。書き終えたら、投稿前チェックリストで3本分をまとめて確認しましょう。承認が必要な職場なら、3本まとめて1回で依頼すると、承認を待つ回数も減らせます。

5. 予約投稿を入れる(予約する:10分)

仕上がった投稿を、各SNSの予約機能か予約投稿ツールで入れていきます。主要なSNSの多くは公式の予約投稿機能を備えていますが、使える機能や操作画面は変わることがあるので、最新の公式ヘルプで確認してください。ツールで一括管理したい場合は予約投稿ツールの選び方も参考にどうぞ。

予約を入れたら、カレンダーの該当日に「予約済み」と印をつけておきます。これで、今週の「何を出そう」はひとまず終わりです。

作りだめに向く投稿・向かない投稿

作りだめは便利ですが、すべての投稿に向いているわけではありません。ここを分けておくと、安心して前倒しできます。

作りだめに向く投稿

作りだめに向かない投稿

目安としては、1週間の投稿のうち、半分〜7割くらいを作りだめにして、残りの枠は「その週に起きたこと」のために空けておくと、アカウントに今の空気も残せます。全部を前倒ししようとしなくて大丈夫です。

予約した投稿は、出る前に一度だけ見る

作りだめで唯一、気をつけておきたいのがここです。数日前に作った投稿は、作ったときには問題がなくても、出る日の状況で受け取られ方が変わることがあります。

大きな災害や事故のニュースがあった日に、明るいキャンペーン投稿がそのまま出てしまう。作りだめをしていると、起こりうることです。

といっても、特別なことは要りません。予約した投稿が出る日の朝に、ニュースの見出しを一度見て、予約一覧を開く。それだけで十分です。気になることがあれば、予約を後ろにずらせばいいだけです。

具体的な確認の仕方は予約投稿と時事のバッティングを防ぐ直前チェックに、投稿を止めるかどうかの目安は災害・大きな出来事のときの投稿自粛と再開の目安にまとめています。

作りだめは、手を抜くことではありません。作る時間と、見守る時間を分けることです。

明日やること(15分でできる範囲)

  1. 来週の予定表に、60〜90分の「SNS作る」枠を1つ入れる
  2. 来週出す投稿を2〜3本、テーマだけメモに書き出す
  3. それぞれに必要な素材(写真・確認・画像)を1行ずつ書き添える
  4. 今の投稿のうち、作りだめに向かないもの(時事・告知・反応系)に印をつける
  5. 予約した投稿を「出る日の朝に見る」タイミングを決める(例:朝メールを見るついで)

今日は、予定表に枠を1つ入れられれば十分です。枠があれば、あとはその時間が来たときに、ここに戻ってくれば大丈夫です。

チェックリスト

作りだめを始める前と、続けていく中で見ていくためのリストです。全部に丸がつかなくても大丈夫。気づいたところから整えていきましょう。

最後に

夕方のオフィスで、予約済みの印が並んだ週の予定表を横に置き、マグカップを片手に落ち着いた表情で本業の資料を読んでいる企業SNS担当者の情景
今日の投稿は、もう用意できている。その安心が、毎日を少し軽くしてくれます。

毎日その日の投稿を一から作って、なんとか出し続けてきた。それは、細切れの時間の中で、ちゃんと仕事を回してきたということです。

作りだめは、その頑張りを少しだけ前に動かす工夫です。週に一度まとめて作っておけば、忙しい夕方に「今日の投稿、まだだった」と慌てる日が、少しずつ減っていきます。

最初から1週間分きれいに揃わなくても大丈夫です。2本でも前倒しできたら、その週はもう、先週より少し楽になっています。

まずは来週の予定表に、60分の枠をひとつ。そこから一緒に始めてみましょう。

よければ、こちらも

企業SNS運用の実務ヒントを、メールでも少しずつお届けしています。ひとりで抱え込まず、続けられる運用を一緒に作っていきましょう。