
企業SNSでUGCを活かす方法|集め方と使う許可の取り方
お客さまが、うちの商品を使っている写真を投稿してくれた。
「わ、こんなふうに使ってくれてるんだ」 「この感想、他の人にも届いたら嬉しいな」 「紹介したい……けど、勝手に載せて大丈夫かな」——
ひとりで運用していると、こういう嬉しい発見があっても、次の瞬間には「でも許可は?」と手が止まってしまいますよね。せっかくのいい投稿を、活かせないまま流してしまうのはもったいない。
大丈夫です。お客さまの投稿(UGC)を企画に活かす流れは、いつも決まっています。「見つける → 声をかける → 許可をもらう → 紹介する」の4ステップだけ。むずかしいことはありません。トラブルにならない声のかけ方も、そのまま使える文例つきで一緒に整理していきましょう。
結論:UGCは、次の順番で扱えば安心して活かせます。
① 見つける:自社名・商品名・ハッシュタグで検索し、紹介したい投稿を探す
② 声をかける:投稿してくれたお礼を、まず素直に伝える
③ 許可をもらう:「紹介してもいいですか」と一言、必ず確認する(口約束にせず記録に残す)
④ 紹介する:公式のリポスト機能を基本に、投稿者への配慮を添えて出す
つまずくのは「③の許可」を飛ばしてしまうところ。ここさえ守れば、UGC活用はぐっと安全になります。下に集め方と文例をまとめました。
いま、何が起きているのか(UGCってそもそも何)
UGCは「User Generated Content」の略で、お客さまなど、企業以外の人が作った投稿やコンテンツのことです。商品の使用写真、感想、レビュー、使い方の動画——お客さまが自発的に上げてくれたものが、すべてUGCにあたります。
なぜこれが注目されるかというと、「企業が言う100の宣伝より、お客さまの1枚の写真のほうが信じてもらえる」からなんですね。自分たちで「いい商品です」と言うのは、どうしても宣伝に聞こえます。でも、実際に使っている人の投稿は、同じ立場の人からのリアルな声として届きます。しかも、ネタ切れに悩む「中の人」にとっては、自分で一から作らなくてよい投稿ネタでもあります。
ただ、ここに落とし穴があります。お客さまの投稿には、その人の著作権(写真・文章を作った権利)と肖像権(写っている本人の権利)があるということ。「うちの商品が写っているんだから」「褒めてくれているんだから」と、勝手に自社アカウントで使ってしまうと、たとえ好意からでもトラブルの元になります。
でも、これは「怖いから使うな」という話ではありません。一言、確認を取れば、堂々と紹介できる。むしろ「紹介させてください」と声をかけること自体が、お客さまとの良い関係づくりになります。ここを取り違えないでおきましょう。
UGCを活かす4つのステップ

一度に全部を仕組み化しようとしなくて大丈夫です。まずは1件、この4ステップでやってみる。それが一番の近道です。
1. 見つける(探し方)
紹介したい投稿は、待っていても流れていってしまいます。定期的に、次のような方法で探しにいきましょう。
- 自社名・商品名・ブランド名で検索する。表記ゆれ(カタカナ・英字・略称)もいくつか試すと拾える数が増えます。
- 自社で用意したハッシュタグがあれば、それで検索する(例:「#〇〇のある暮らし」)。ハッシュタグは、UGCを集める入口として最初に用意しておくと後がずっと楽になります。
- メンションやタグ付けで自社アカウントに触れてくれた投稿を、通知から拾う。
- 商品ページやレビュー欄に上がっている写真つきの声も、立派なUGCです。
見つけたら、すぐ使おうとせず、まず「これは紹介したいな」と思える投稿をストックしておきます。焦らなくて大丈夫です。
2. 声をかける(まずはお礼から)
許可のお願いを、いきなり事務的に切り出さないのがコツです。最初に来るのは、お礼。
投稿してくれたことへの「ありがとう」を素直に伝えるだけで、そのあとのやりとりの空気がやわらかくなります。お客さまからすれば、企業アカウントから反応がもらえること自体が嬉しい体験です。ここを飛ばして「使わせてください」だけ送ると、どうしても事務的で冷たい印象になってしまいます。
3. 許可をもらう(ここが一番大事)
UGC活用で唯一、絶対に飛ばしてはいけないのがここです。「紹介してもいいですか」と、必ず一言確認する。
- コメントやDM(ダイレクトメッセージ)で、はっきり許可をもらう。「いいねしてくれたから」「タグ付けしてくれたから」は、許可の代わりにはなりません。
- 口約束や「たぶん大丈夫」で進めない。あとで「そんなつもりじゃなかった」となると、お互い気まずくなります。
- もらった許可は、スクリーンショットなどで記録に残す。担当者が代わっても「この投稿は許可済み」と分かるようにしておくと安心です。
- どう使うかを、簡単に伝える。「公式アカウントで紹介します」「お名前(アカウント名)は載せてもいいですか」まで確認しておくと、行き違いが起きません。
ここは手間に見えて、実はお客さまとの信頼をつくる大事なひと手間です。丁寧に確認してくれる企業は、それだけで印象が良くなります。
4. 紹介する(配慮を添えて)
許可がもらえたら、いよいよ紹介です。ここでも、ちょっとした配慮で印象が変わります。
- 公式のリポスト・シェア機能を基本にする。スクリーンショットを撮って自分の投稿として貼るより、機能で共有するほうが、投稿者への敬意もリスク回避の面でも安全です。
- 投稿者への感謝を一言添える。「素敵なお写真ありがとうございます」の一文があるだけで、見ている他のお客さまにも温かい印象が伝わります。
- 投稿者が嫌がらない見せ方を心がける。本人のアカウント名の扱い、コメントの付け方など、「自分がされて嬉しいか」を基準にすると迷いません。
- 加工やトリミングをするなら、元の投稿の意図を変えない範囲にとどめます。
そのまま使える|許可をお願いする文例
言葉に迷ったときのために、コメント・DMで送れる文例を用意しました。自社のトーンに合わせて言葉を足し引きしてください。
文例A(丁寧・基本形)
はじめまして、〇〇(企業名)の公式アカウントです。
このたびは素敵なお写真を投稿いただき、ありがとうございます。
よろしければ、こちらの投稿を弊社の公式アカウントでご紹介させていただけないでしょうか。
ご紹介の際はお客さまのアカウント名を添える形を考えておりますが、伏せることも可能です。ご希望をお聞かせいただけると幸いです。
ご検討いただけますとうれしいです。
文例B(やわらかい・親しみ)
〇〇です! 素敵に使ってくださっていて、とてもうれしくなりました✨
もしよければ、この投稿を公式アカウントで紹介させていただけませんか?
お名前の扱いなど、ご希望があればあわせて教えてください。
もちろん、ご都合が合わなければ遠慮なくお伝えくださいね。
どちらの文例も、「断ってもいいですよ」という余白を残しているのがポイントです。お願いされた側が気楽に返事できる形にしておくと、印象がぐっと良くなります。
チェックリスト(保存用・UGC活用の確認)
全部を一度にやる前提ではありません。まずは最低ラインの3つから。
まずここだけ(最低ライン)
- 紹介したい投稿の投稿者に、はっきり許可をもらったか
- もらった許可を、スクリーンショットなどで記録に残したか
- 公式のリポスト・シェア機能を使って紹介したか(無断のスクショ転載になっていないか)
できれば(落ち着いてから)
- 許可のお願いの前に、まずお礼を伝えたか
- アカウント名を載せてよいか・伏せるか、本人の希望を確認したか
- どう使うか(公式アカウントで紹介など)を投稿者に伝えたか
- 紹介投稿に、投稿者への感謝を一言添えたか
- UGCを集めるための自社ハッシュタグを用意したか
- 「許可なしのUGCは使わない」を運用ルールに書いておいたか
※投稿の権利関係の判断がむずかしいケースもあります。この記事は一般的な整理なので、最終判断は各SNSの最新の規約や、自社の広報・法務の方針でご確認ください。
明日やるならこれ
まずは、自社名か商品名でSNSを1回検索してみましょう。もし「紹介したいな」と思える投稿が見つかったら、上の文例を使って、お礼と許可のメッセージを1件だけ送ってみる。それだけで、UGC活用の最初の一歩は踏み出せています。
仕組みを完璧に整えてから始める必要はありません。 今日、お客さまの投稿に「ありがとう」を1件伝えられたなら、それはもう、いい関係づくりとネタ集めが同時に始まったということです。ひとつずつで大丈夫です。

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