机の上にスマートフォン、ノートパソコン、付箋、メモ帳が散らばり、SNS担当者が「あの下書きはどこだったかな」と少し困った顔で探している情景

SNS投稿の下書き管理|散らばるネタを1か所にまとめる運用ボード

「あの投稿の下書き、どこに書いたっけ……」 移動中にスマホのメモに書いた気がする。いや、上司とのチャットに貼ったんだったか。パソコンのデスクトップにも、似た名前のファイルがいくつか並んでいる。

探しているうちに10分たって、結局イチから書き直す。そんな日、ありませんか。

これは、あなたの段取りが悪いからではありません。ネタを思いつく場所も、下書きを書く場所も、確認をお願いする場所も、そのときいちばん手近な場所になるのは自然なことです。ひとりで兼務していれば、なおさらです。

今日は、散らばった投稿のネタと下書きを1か所に集めて、どこまで進んでいるかが一目で分かる「運用ボード」の作り方を一緒に整理していきます。新しいツールを入れなくても、いつもの表計算ソフト1枚で始められます。

結論:投稿の下書き管理は、次の3つで十分です。
① 置き場所を1か所に決める(表計算ソフトのシート1枚、またはカード型のタスク管理ツール1つ)
② 列を「ネタ」「下書き」「確認中」「予約済」の4つに分ける(1投稿=1行/1枚のカード)
③ 投稿が進んだら、カードを右へ1つ動かす(これだけで、止まっている投稿が見える)
思いついた場所で書くのはそのままで大丈夫です。1日の終わりに、ボードへ移す習慣だけ足します。

何が起きているか:下書きが散らばると、何がつらいのか

投稿のネタや下書きが散らばっていると、困るのは「探す時間」だけではありません。

いちばん大きいのは、「やることが頭の中にしかない」状態が、ずっと気持ちを重くすることかもしれません。ボードに出してしまえば、頭の中で覚えておく必要がなくなります。

運用ボードとは:コンテンツカレンダーとの違い

コンテンツカレンダーは、「いつ・どの媒体に・何を出すか」を日付で並べる表です。

運用ボードは、それより手前の「いま、どの投稿がどこまでできているか」を見る場所です。日付が決まる前のネタや、書きかけの下書きも、ここに置いておけます。

運用ボードコンテンツカレンダー
見るもの1本ずつの進み具合出す日付と並び
置くもの日付未定のネタ・書きかけの下書きも出す日が決まった投稿
主に使うとき毎日・作業のたびに月1回の計画と、週1回の見直し

どちらか一方だけでも運用はできます。両方使う場合は、「予約済」になったものをカレンダーにも載せる、とつなぎ方を決めておくと迷いません。

運用ボードの作り方:4ステップ

横に4つの列が並ぶ運用ボードの図。左から「ネタ」「下書き」「確認中」「予約済」の列があり、担当者がカードを1枚、右隣の列へ動かしている
1投稿=1枚のカード。進んだら右へ1つ動かすだけで、どこで止まっているかが見える。

ステップ1:置き場所を1か所に決める

まずは、ボードを置く場所を1つだけ決めます。新しく覚えることが少ないものを選ぶのがコツです。

迷ったら、会社で共有できる表計算ソフト1枚で十分です。大事なのは道具より、「ここを見ればぜんぶある」場所が1つあることです。

ステップ2:列を4つに分ける

列(=進み具合)は、この4つから始めます。

列入れるもの次の列へ動かすタイミング
ネタ思いついたこと、写真、もらった情報。1行のメモでOK書き始めたら
下書き投稿文や画像を作っている途中のもの確認をお願いしたら(確認不要なら、仕上がったら)
確認中上司・関係部署・法務などに見てもらっているものOKが出て、予約を入れたら
予約済予約投稿を入れたもの投稿されたら、ボードから外す

投稿されたものは、ボードから外して「投稿済」の別シート(またはアーカイブ)に移します。ボードには「これから出るもの」だけが残るので、見通しがよくなります。投稿済のシートは、あとで過去投稿の棚卸しをするときにも役立ちます。

確認の流れが社内にない場合は、「確認中」の列はなくても大丈夫です。逆に、承認が何段階もある会社なら、列は増やさず、カードに「誰の確認待ちか」を書くほうが見やすくなります。承認の流れそのものを整えたいときは、投稿承認フローの作り方もあわせてどうぞ。

ステップ3:1枚のカードに書く項目を決める

カード(または1行)に書く項目は、少ないほど続きます。まずはこの5つから。

本文をボードに直接書くか、リンクにするかは、どちらでもかまいません。画像や動画は、素材の保管と命名のルールで決めたフォルダに置き、ボードにはそのリンクだけ貼っておくと、ボードが重くなりません。

一つだけ、ボードに書かないものも決めておきましょう。

ステップ4:「1日の終わりに移す」習慣だけ足す

ボードを作っても、思いつく場所はこれまでどおりバラバラで大丈夫です。移動中はスマホのメモ、打ち合わせ中は手帳——それは無理に変えなくていい。

足すのは、1日の終わりの3分だけ、その日のメモをボードの「ネタ」列へ移すこと。そのついでに、

をさっと眺めます。週に1回まとめて投稿を作る作りだめ(バッチ運用)をしているなら、作業の始めに「ネタ」列から今週の分を選ぶだけで、題材探しの時間がほとんどなくなります。

具体例:小さな雑貨店の運用ボード

たとえば、ひとりでInstagramとXを担当している雑貨店のSNS担当者のボードは、ある朝こんな状態です。

これを見ると、「営業日のお知らせの確認が2日止まっている」ことにすぐ気づけます。今日まずやることは、店長にひと声かけること。新しい投稿を考える前に、止まっている1本を動かすほうが早く片づきます。

ボードがないと、この「止まっている1本」は頭の片隅で気になり続けるだけだったかもしれません。

あなたへの影響

明日やること(15分でできる範囲)

  1. 表計算ソフトで新しいシートを1枚作り、「ネタ」「下書き」「確認中」「予約済」の4つの見出しを書く(またはカード型ツールで4つの列を作る)。
  2. スマホのメモ・チャット・パソコンのファイルから、いま手元にあるネタと下書きを探して、1つずつボードに移す(全部でなくて大丈夫。思い出せた分だけ)。
  3. 「確認中」に入ったものに、確認相手と依頼日を書き足す。
  4. 1日の終わりの3分をカレンダーに入れておく。

最初の移しかえが終われば、あとは毎日カードを右に動かすだけです。

チェックリスト

全部を一度に整えなくて大丈夫です。まずは太字の3つから。

最後に

ネタがあちこちに散らばっているのは、それだけあなたが、移動中も打ち合わせ中も投稿のことを考えてきた証拠です。足りなかったのは、それを置いておく場所だけでした。

まずは今日、シートを1枚作って、思い出せたネタを3つだけ移してみましょう。カードが右へ動いていくのを見るだけで、仕事は少し軽く感じられるはずです。

夕方のオフィスで、SNS担当者が整ったボードを見上げ、ほっとした笑顔でひと息ついている情景
頭の中にあったものを、ボードに出せた。それだけで、明日は少し身軽に始められます。

よければ、こちらも

企業SNS運用の実務ヒントを、メールでも少しずつお届けしています。ひとりで抱え込まず、続けられる運用を一緒に作っていきましょう。